先日、電車の中で一夜を過ごすという貴重な経験をしました。
2018年8月23日、私は山梨県甲府市に来ていました。
今回の台風は近畿地方以西の影響が大きいことが予想されていました。山梨は比較的離れていますので深刻な影響にはならないと思っていました。
私は18:05甲府発新宿行きの「スーパーあずさ28号」に乗りました。特に何のアナウンスもなく普通に走り出したのですが、何気なく自宅に到着する時刻を調べるためにYahoo!路線情報を見てみると
「大雨の影響で大月〜高尾間で運転見合わせ」
(え、今普通に走ってるんだけど。。雨もそれほど降ってないし、大丈夫だよね)
こういう時って、自分に都合よく情報を解釈してしまうんですよね。
(きっと、今までは運転を見合わせたんだろうけど、雨も止んで運転再開した情報がYahoo!路線情報に反映されてないだけだ)
そして、甲府を出発して30分頃経過した頃、電車のスピードが落ち始め、本当に大月駅でスーパーあずさは止まってしまいました。
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止まっていた電車の中で考えたこと
台風自体は遠ざかりつつある状況だったので、私は「せいぜい30〜60分ぐらいの遅れかな」って考えていました。(これまた自分に都合の良い解釈でしたね。。)
ところが、車内では
「現在復旧の見込みは立っておりません」「電車が遅れて申し訳ありません」
というアナウンスが、15分毎ぐらいに繰り返されるだけで、そのうちに段々とアナウンスされなくなってきました。
(家に帰れないかも)
と考え始めたのは20:00を過ぎた頃からです。
食べ物や飲み物が十分にあるか?
電車に乗る前に軽く食べていましたので、あまりお腹が空いていませんでしたが、電車が長時間停車することを考えると少し不安になってきます。
私が持っていたものは、水とお茶のペットボトルが1本ずつでした。食べ物は何もありません。
さっきまで車内販売してたけど、電車が止まってからは来ないなあと思っていたら、「車内販売は終了しました」というアナウンスがありました。
電車が止まってから2時間ぐらいした時に、コンビニの袋のようなものを持ち歩いて電車に戻ってくる人を見かけたので、何かお店があるに違いないと思って車両の外に出ました。案の定、大月駅の改札付近にキオスクがあり、食べ物を調達できました。
と言っても購入できたのは、クッキーやビスケットなどの乾き物中心で、おにぎりやサンドイッチなどのお腹に溜まりそうなものは既に売り切れになっていました。あ、私の好きなビールは少しだけ残っていました♪
まだ一部の乗客しかキオスクの存在に気づいていなかった様子でしたが、2坪ぐらいの広さのキオスクに20人ぐらいの人が並んでいました。店内がとても狭いので商品を選んでからレジに並ぶというよりは、レジに並んでる最中に買いたいものを取っていくという流れになっていました。
この並び方は都心のコンビニの混雑時によく見られる光景ですが、その流れを理解できていないおじさんが列に割り込んだような感じになって、後ろにいた若者から「並んでますけど」って注意されていました。
こういう時って周りの状況をよく見渡すことが本当に大切ですね。無用なトラブルを避けるために、イライラしてそうな人にはできるだけ近づかないように気をつけました。
スマホやiPadは使えるか?
幸いなことに、「スーパーあずさ」はとても綺麗で座席も快適な構造になっています。東海道新幹線に比べて座席の幅が広く感じます。背もたれには上下に動かすことのできる枕まで付いていました。
各座席にコンセントも付いていますので、最近充電器を持ち歩くようにしている私としてはiPhoneやiPadのバッテリーの残量を気にせずに使うことができます。同じ特急でも各座席にコンセントが付いている車両は珍しいので、助かりました。(これが車中泊となってしまった原因の大きな一つです)
中央本線はトンネル区間が多く、トンネルに入ってしまうと電波が届かなくなるのですが、大月駅は問題なく電波を受信できました。
トイレは使えるか?
車内と同様トイレも綺麗でしたし、深夜2:00ぐらいになってもトイレットペーパーがちゃんと残っていました。補給用のトイレットペーパーが十分に用意されていたのだと推測いたします。
空調はちゃんと効くか?
真夏ですので、夜とはいっても蒸し暑いシーズンです。逆に冷房が効きすぎると寒くなってしまうのですが、半袖シャツでちょうど良い感じでした。
大月駅で停車した当初は「本来通過する駅なのでドアは開きません」というアナウンスが流れていましたが、停車して2時間後ぐらいには全てのドアを開けてくれました。すると、冷房の効きが悪くなってきて若干蒸し暑く感じました。
さらに少し経過すると、「4号車と10号車のドアだけ開ける」という旨のアナウンスがあり、冷房効率のことをちゃんと考えた対応に感心しました。
おそらく、JRでこのような自体で停車した場合のマニュアルが整備されているのだと思います。
運休が決まった後の車内の様子
22:00を過ぎた頃に、運休決定のアナウンスがありました。
特に騒ぎ出す人もいなければ、車掌にからむような人もおらず、満員に近い状態の車内にしては静かでした。
であるがゆえに、通路を挟んで反対側に座っていたおばあちゃんのスマホから聞こえる音が気になりました。どうやらキーボードのクリック音の設定がONになっている様子で、スマホを操作する度に、タップする音が聞こえてくるんです。まあ、ノートパソコンとかの物理的なキーボードでカチカチされるよりはマシですが、車内が静かであった為にちょっと気になりました。
汗だくの駅員に感謝
1:00AM頃だったと思います。車内アナウンスで、水とパンが配給されることが伝えられました。
しばらく待つこと30分。駅員さん達は後ろの車両から順番に配っていた様子で、私の座席に来た時には汗でびっしょりでした。
しかも、一人ひとりの乗客に「電車が運休となって大変申し訳ありません」って低い姿勢で謝りながら水とパンを配っている姿を見ると、とても申し訳なく思いました。別に車掌や駅員のせいで電車が止まったわけではないですからね。
一人の駅員さんが運べるペットボトルの本数には限界がありますので、私は手伝いたい衝動に駆られました。ですが、自分の荷物を座席に置いたままで手伝うと置き引きされるリスクがどうしても出てしまうので、声をかけることがが出来ませんでした。
水とパンを受け取る時に「ありがとうございます」と感謝の気持ちを伝えるだけとなってしまいました。
500mlのペットボトルの水と、(どこから仕入れてきたのか?)ファミマの「コッペパンたまご」を頂きました。
もし全く同じ事態に巻き込まれたら次はどうする?
結局、私が自宅に到着したのは6:30AM頃でした。快適な車内だったとは言うものの、ほとんど寝ることが出来ず徹夜に近い状態です。
甲府市内にはいくつかのホテルがあります。今回、大月から甲府に戻る下り電車は何本か出ていましたので、無理に東京方面へ帰ろうとせずに甲府のホテルで一夜を明かすのが最も楽チンな対処だったと思います。
ただし、余計な宿泊費用が発生しますので微妙なところですね。
あと切符ですが、一度乗車してしまうと天気の影響で途中で下車せざるを得ない状況となったとしても、乗車券の払い戻しはしてもらえないそうです。ただし、2時間以上の遅延となると特急券だけは払い戻してくれるそうです。
そう言えば、私は3.11の東日本大震災の時も帰宅難民になりました。常に多少の食料や非常時に活躍しそうなグッズをカバンの中に入れておこうと決意を新たにしました。
普段持ち運ぶのに負担にならない軽めのものを中心に選んでみようと思います。