液晶テレビや有機ELテレビを壁掛けにすると、テレビ台を置く必要がなくなりますので、部屋がスッキリして広く見えますよね。
最近はいろんなメーカーがリーズナブルな価格で壁掛け用の金具を販売しているので、「壁掛けテレビにしてみたい」とお考えの方も多いと思います。
壁掛け用の金具を壁に取り付ける工事自体はそれほど難しいものではありません。
ですが、壁の裏がどのような構造になっているかを十分に調べてから工事する必要があります。
なぜかと言うと、普通の壁掛け用金具は上下左右の2か所(計4か所)に、強度のある木ネジやラグボルトを打ち込むように設計されているタイプのものが多いからです。
間柱は壁の裏にあるので写真が撮れないため、イメージ図で説明すると下の図のような感じです。
壁掛け用金具の取り付け方法としてはこれがベストな方法です。
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ですが、僕の家のリビングの間柱の位置を調べてみるとこんな感じでした。
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テレビを設置したい場所の中央付近に1本しか間柱がないと、壁掛け金具固定用のラグボルトを2か所しか打ち込めない(上図 赤丸の位置)ことになるので、ちゃんとテレビを支えるだけの強度が出るか不安になります。
それではどのように壁掛け用金具を設置したか、最初に結論をお伝えします。
間柱のある所:ラグボルト2本(下図赤丸印)
間柱のない所:金属製のウォールアンカー12本(下図青丸印)
下の図のようなイメージです。
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青印の場所で使った金属製のウォールアンカーはこんな金具です。
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石膏ボードの壁に打ち込んで、ネジを回していくと、ウォールアンカーの先端の部分が傘の骨のように開いて、石膏ボード裏面の壁に少しめり込むことで固定されます。
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このページでは、間柱がテレビの中心付近に1本しかない場合の壁掛けテレビの施工方法を紹介します。
テレビ取り付け金具を選ぶ時にチェックしたポイント
テレビ取り付け金具の左右方向の「中心付近」にラグボルトや木ネジをを取り付ける穴が開いている金具を選ぶことです。
僕が購入したテレビ取付金具の中身を広げるとこんな感じです。
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写真上部にあるものが金具本体です。
中央付近で2つに分割されるようになっています。
繰り返しの説明となりますが、通常ですと間柱2本に渡るような感じで施工しますので、上下左右合計4本のラグボルトで間柱に固定します。
下の写真ですと、例えば赤丸を付けた4か所で固定します。
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ですが、僕がテレビを取り付けようとした場所には、取り付け金具の中央付近にしか間柱がないので、取付金具の中央付近にも穴が開いている必要があります。
実際にラグボルトを取り付けた時に使った穴は下の写真の個所です。
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アマゾンとかYahoo!ショッピングなんかで調べてみると、いろんな種類の壁掛け用金具が販売されています。
こんなタイプのものを買わないように気をつけました。
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上の写真の取付金具の中央付近をよく見ると、ラグボルト取付用の穴が開いていないことが分かると思います。
下のモデルも、金具の中央付近にラグボルト取付用の穴が無いので、僕の家の場合はNGです。
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という訳で、僕はAmazonでPERLESMITH テレビ壁掛け金具 37~70インチを買いました。
アマゾンのサイトを見て頂くと分かるのですが、中国製であるためか説明文の和訳が若干変なので品質上の懸念がありましたが、非常にちゃんとした取り付け金具でした
テレビ壁掛け用金具の取り付け方
最初に壁掛け用金具設置後の姿をお伝えします。
僕が買ったテレビは、ソニー製KJ-65X9500Gという型式のモデルで、画面サイズは65インチです。
最初に悩んだのは、
「どのくらいの高さに設置すべきか?」です。
テレビはソファーに座って見るることが多いのですが、イスに座って見ることもあるので、あまり低すぎる位置だと見にくくなります。
いろいろ考えてたどり着いた結論は、床からラグボルト(上)の取付位置までの高さ=976mmです。
この高さですと、ソファーに座って見ても、床に寝転んで見ても、椅子に座って見ても丁度良い感じです。
間柱の正確な位置探しはとても重要
「間柱の正確な位置探しはとても重要」と聞くと、工具に頼りたくなりますよね。
ですが、巷で売っている電子式の下地探しは買わない方が良いです。
なぜかと言うと、求められる精度に対して誤差が大きすぎるからです。
ところで、間柱の幅は30mm~45mmぐらいが一般的です。
今回の工事では、この間柱に対して、直径8mm×長さ65mmのラグボルトを垂直に打ち込みます。
これだけ太いボルトを打ち込む時のことを想像してみてください。
間柱の中心から5mm程度ずれただけでも、ラグボルトの直径が太いので間柱が割れてしまう可能性が高まります。
間柱が割れてしまうと、テレビを支えるための十分な強度が出なくなるため、テレビ落下の危険が高まり非常に危険です。
という訳で、針を使った下地探しを使って間柱の幅を正確に調べます。
本棚をDIYした時の記事でも紹介した下地探しです。
この下地探しを使って、間柱を探していきます。
僕は水平方向に6~7mmピッチぐらいで下地探し用に穴を開けて間柱の幅を正確に割り出し、間柱の中央を見つけました。
上の写真では、下の青いマスキングテープで×印をつけた箇所は、針が貫通した(=間柱がない)場所です。
ラグボルト取付用の下穴
ラグボルトを打ち込む前に、Φ5mmのドリルを使って下穴を空けました。
ラグボルトの長さが65mmなので、穴を開けている最中に目安となる位置にマスキングテープを巻いておきます。
壁掛け用金具の取り付け
テレビ取り付け金具をラグボルトで固定していきます。
使用した工具は13mmのラチェット式のソケットレンチです。
スパナやモンキーレンチでも施工可能ですが、ソケットレンチに比べて力を入れにくいので、かなり疲れますし、ミスるとケガします。
上のラグボルトがある程度打ち込めた段階で、下の穴の位置を現物合わせします。
間柱の幅方向の中央付近ということもあって、間柱に石膏ボードを固定しているコースレッドと干渉しやすいので注意が必要です。
ウォールアンカー用の下穴あけ(オリジナル施工例)
さて、ここからが僕のオリジナルの工事方法となります。
ラグボルト2本だけでは強度的に不安でしたので、ウォールアンカーを打ち込みました。上の写真は、穴を空けた後にウォールアンカーのビスを差し込んで仮止めした状態です。
ウォールアンカーの直径(4mm)に対して、取り付け金具の穴は8mmぐらいありましたので、サイズが合いませんでした。
そこで、取り付け用金具にウォールアンカー用の穴を新たに空けて施工しています。
新品の取り付け金具に穴を空けるのは少し勇気が要ります。。
ウォールアンカーの取り付け
ウォールアンカーを壁に取り付けるために、ラグボルト1本だけ残して、他のビスは外します。
6mmのドリルビットで先ほどの下穴を広げた後、ウォールアンカーを差し込みます。
ウォールアンカーを差し込んだら、付属のビスを回して壁内でウォールアンカーの傘の部分が石膏ボードの裏側に少しだけめり込むようにします。
テレビ裏面 壁掛け用金具の取り付け
テレビの裏面に壁掛け用金具を取り付けます。
僕が買った「PERLESMITH テレビ壁掛け金具 37~70インチ」には5mmや10mmの高さのスペーサーが付属していましたが、テレビ裏面に曲面がほとんどなかったので、必要ありませんでした。
また、スペーサーをつけると、スペーサーの寸法分だけテレビが壁から離れてしまうので(ある意味当然ですが)、壁に出来る限り近づけたい僕としては、スペーサーを使わないことにしました。
それから、このタイミングでテレビ裏面につなぐケーブルは全て接続しておきました。
テレビと壁との間は手を入れられないぐらいのすき間となり、壁掛けした後で配線するのは難しいから(というかムリ)です。
最後に壁掛け金具にテレビを掛ければ、テレビの壁掛け工事DIYの完了です。
テレビは一人でも持ち上げられる重量ですが、一人で作業するとテレビを持ち上げた時に歪みができ、最悪割れてしまう可能性があるので二人作業を強くおすすめします。
テレビ壁掛け工事DIY(間柱1本)のまとめ
間柱が1本しかない壁でも、ラグボルトとウォールアンカーを併用することで、工事が可能(※)【施工上のポイント】
・間柱の中心位置探しは精度を重視すべし
・ラグボルト取り付けの際は、ソケットレンチを使用すべし
・ウォールアンカーは傘が十分に開かないと石膏ボードに固定できない。石膏ボードにめり込ませすぎると、石膏ボードの強度が落ちる。程よい力加減を習得すべし
・テレビの配線は壁掛け前にすべし
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