今日も各地で30度を超える暑さとなりましたね。
とある高台にある閑静な住宅街を歩いている最中で、5歳前後の子供と思われる尋常ならぬ泣き声が聞こえてきました。
「ごめんなさい。ごめんなさい。お○っこが漏れちゃう。開けて。ごめんなさい。」
その子供は、綺麗な一戸建ての2階のバルコニーに閉め出されている様子です。
バルコニーのフェンスに隙間がないので、バルコニーの中の様子は見えません。
あまりにも泣き声が激しすぎて、男の子か女の子かさえも分かりませんでした。
子供が外に閉め出されるということは、よくある話なのかも知れません。
ですが、私が耳にした子供の悲痛な声は、どう考えても尋常でなかったんです。
「もう泣きませんから、許してください」
ってはっきり聞こえたからです。
小さな子供が自分の親に対して
「〇〇してください」って泣きじゃくりながら丁寧語で話すのって、直感的に尋常じゃないと思いませんか?
幼い子供であっても、恐怖が極限に達すると丁寧語になるんでしょうか。。。
子供の虐待の通報は110番でOK。警察が現場まで来てくれます
私はスマホを取り出して110番しました。
110番した後ですぐにスマホのスピーカーに切り替えて、現場の音声が少しでも110番を受けてくれたオペレーターの方にリアルに届くようにしました。
おそらく、110番して話した内容は全て録音されているはずですので、子供の悲痛な叫び声も一緒に届くと考えたからです。
私が110番のオペレーターの方と話をしている最中も、幼い子供の叫び声が何度も聞こえてきました。
警察に110番して最初に聞かれるのは「事故ですか」「事件ですか」です
私はこの質問に対して、「虐待」という言葉を使ったので、スマホのマイクに拾われた幼い子供の叫び声が何を意味するかはすぐに警察のオペレーターに理解してもらえました。
私「子供の普通ではないレベルの泣き声が聞こえるので、虐待が疑われて110番しました」
警察「わかりました。今こちらにも泣き声が聞こえてくるのですが、この声のことでしょうか?」
私「そうです」
警察「『ごめんなさい。許してください』って言っているのは、この子供のことでしょうか?」
私「そうです」
警察「住所は分かりますでしょうか?」
玄関にしっかりと住所の表示と表札も掲げてありましたので、住所だけ伝えると、
警察「〇〇さんですね」
住所を伝えただけで、1秒も経たないうちに世帯主の名字が警察側では割り出されていました。
私「はいそうです」
警察「わかりました。只今、警察官を現場に向かわせます。申し訳ありませんが、そのまま現場にいてもらうことは可能でしょうか?」
この質問に対しては、私は少し躊躇しました。
閑静な住宅街の中で、泣き叫ぶ子供のいる家の前でずっと待つことに抵抗を感じたからです。ですが、勇気を振り絞って「わかりました」と答えました。
警察「恐れ入ります。少しお待ちいただけますか?」
ということで、最初の警察への電話は終了しました。
警察に110番した後、事件現場で待機するのは精神的な負担が結構大きかったです
警察を呼んだ後も、幼い子供の悲痛な叫び声が聞こえてきます。
親や保護者から怒鳴られるような声や暴力を振るわれているような音は聞こえてこないので、2階のバルコニーに閉め出されているだけの様子です。
しかしながら、今日のように最高気温が30度を超える日に閉め出されてしまった時にその子供が感じた恐怖感は尋常なものではなかったと思います。
「お○っこが漏れちゃうよ」
「う○ちも出ちゃう」
「ゆるしてください」
「もう泣きませんから」
大声で叫ぶ子供の声が閑静な住宅街に響き渡ります。
この声が隣家に聞こえない訳はないと思います。どうして付近の住民は知らんぷりなんだろう。。
そう思いながら、私は咄嗟にスマホのボイスメモのアプリを立ち上げて、現場の音声を録音し始めました。後で警察官に事情を説明する際の証拠になりうると考えたからです。
近くに派出所があったのかどうか定かではないのですが、なかなか警察官は来てくれません。
私は虐待の現場に居続けることに対する精神的負担に耐えきれず、数分間録音した後で、数百メートルぐらい先まで歩いていきました。
そうしているうちに、さっき110番した時に自分が現場に残ることを警察のオペレーターの方と約束したかどうかさえ曖昧になってきました。
今も続く幼い子供の叫び声
事件の目撃者としての警察への通報
少し自分の頭の中が混乱してきた感じがしました。
再度110番
ワンコールもしないうちに警察に繋がります。
警察「事故ですか?」「事件ですか?」
私「先ほど電話した者なんですが。。。」
警察「もうすぐ警察官が現場に到着しますので、現場にいてもらえますか?」
びっくりしました。
私が2度目に110番した時に、同じ担当者に繋がったかどうかは定かではありません。(110番の電話を受け取るオペレーターは何人もいるでしょうから。。。)
警察が把握できるのは、何番のスマホから110番へ着信があったのかと、(もしかしたら)私のスマホの電波を掴んだ基地局から割り出された私の現在地情報なのかも知れません。
2度目に私が110番した時には自分の名前も名乗っていないですし、虐待のことも何も伝えていなかったのですが、すぐに話が通じました。また、現場に急行している警察官の状況も極めて正確でした。
2度目の電話を切った後現場に戻ったら、ちょうど警察官が3~4人到着していました。
私が最初の110番をしてから警察官が到着するまで15分くらいだったと思います。
パトカーではなく、小型の乗用車に乗って現場に急行してくれました。
閑静な住宅街ですからパトカーが走っただけでも目立つからそうしているのか、緊急性がそこまでないと判断されたからなのかは定かではありません。
子供の虐待の現行犯に近い状況を警察官に聞いてもらうことができました
現場で警察官と目が合い、「〇〇です」と自分の名前を名乗った矢先に、2階のバルコニーから先ほどと同じような子供の叫び声が聞こえてきました。
警察官とは何も話をせずに、私は手で2階を指差し110番した理由を示唆しました。
びっくりしたのは、警察官の動きの速さです。
警察官の一人が何も躊躇することなく現場宅のインターホンを押し「〇〇警察です」と言って家の中にいる人を呼び出しました。
私はその後の事はよく分かりません。なぜなら、警察は通報した私を現場から少し離れた場所に動くように促し、通報者としてのプライバシーを十分に守ってくれたからです。
通報した私が最も恐れるのは、その家の人から何らかの形で私の素性が割り出されて不利益を被ることです。
警察の対応は僕の心配を考慮してくれていて、とても助かったと思います。
110番の通報後に警察から尋ねられたことは3点です
自分の氏名(フルネーム)、住所、生年月日です。
連絡先の電話番号はスマホの番号が110番した時に残っているでしょうから、この程度の情報があれば、本人確認できるんでしょうね。身分証明書の提示などは求められませんでした。
警察官の持っていたメモ用紙を借りて自分の氏名を書いている時は、少し手が震えました。緊張もしていたでしょうし、私自身恐怖を感じていたのだと思います。
警察官はとても物腰の柔らかな感じの方で
「昨今、幼児虐待の事件が起きていますが、あなたのような方の通報がないと、なかなか警察や児童相談所が動きにくいケースが多いのが現状ですので、通報に感謝します」
と言われました。
私としては、この警察官の一言によって勇気を出して110番したことが報われた気がしました。
確かに幼児や児童に対する虐待の大半は自宅内で行われるでしょうから、警察官が虐待の現場に居合わすことはまず無いことが推察されますからね。。
少なくとも、今日その幼い子供の命が絶たれてしまうようなことは無かったわけですから良しとしましょう。。
(ですがその子にとって今日の出来事は強烈なトラウマとなっている可能性はあります)
私の通報がきっかけで、今後警察のパトロールが強化されるかも知れませんし、その家庭を児童相談所がマークしてくれるかも知れません。
最後に警察からは、「もしかすると後日また連絡させて頂くかも知れません」と言われましたが私が受け取ったニュアンスでは、警察から私宛に連絡が来ることはなさそうな感じでした。
私からは「(子供の叫び声を)録音しているので必要でしたら(警察に)出します」と伝えてその場を去りました。
子供の虐待が疑われたら110番しましょう
こんな記事を書きながら、今この瞬間も世界のどこかで虐待されている子供がいるのかと思うと本当に胸が痛みます。
私ができることは唯一つです。
「誤報でもいいから、幼児・児童虐待が疑われたら110番」
それで防げる命があるかも知れませんから。
4~5歳の幼い子供が自分の最愛の親に対して、
「許してください」
「もうしませんから」
「もう泣きませんから」
と丁寧語で叫ぶのは尋常ではありません。
(普段からそのように言わされている可能性がありそうで、理解に苦しみます。。)
今回私の応対をして頂いた警察官の皆さまは、通報者のプライバシー保護を十分に考えてくれた警察官でした。
もうこんな現場に居合わせるようなことが無いことを祈りたいのですが、万が一同様のことがあれば、その時も勇気を持って110番したいと思います。
栗原心愛(みあ)さんの事件
2019年1月24日千葉県野田市の小学4年生、栗原心愛(みあ)さんが自宅で死亡したという事件が報道されています。父、勇一郎容疑者が傷害容疑者として逮捕されています。
上の記事を書いてから1年も経っていないうちに、このような痛ましい事件が起きてしまい、いたたまれない気持ちになりました。
自分を愛してくれるはずの親から受けた虐待、学校や児童相談所へ救いを求めても助けてもらえないことを感じた時の心愛さんの恐怖感や絶望感は、相当なものだったのではないかと思います。
心愛さんのように死亡事件にまで至れば新聞、テレビ、ネットなどのメディアで報道されて全国に知られることになりますが、きっと今日も自分の親からの虐待で苦しんでいる児童や幼児がいることでしょう。
今後も子供の悲鳴や泣き声を聞いて異変を感じたら、誤報でも良いので警察に連絡するようにしたいと思います。
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