シャワーのボタンを押しても、お湯や水が出ない時の修理方法 LIXIL(INAX)~DIY初心者向け~

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このページでは、シャワー水栓のボタンを押しても、お湯や水が出てこなくなった時や、シャワーのボタンが戻らない不具合の修理方法を紹介します。

 

メーカーはLIXIL(INAX)、「ラ・バス」という商品名のシステムバスに付いている、サーモスタット付きシャワー水栓(プッシュ水栓)です。

 

修理業者にお願いすると、通常20,000円~30,000円ぐらいの修理費用を請求されますが、自分で修理すれば部品代だけで済みます。

実際に僕が支払った部品代は、税込みで2,000円台で済みました。業者に頼んだ場合の10分の1ぐらいの修理費用です。

 

修理と言っても、実際に行うことは流量調節バルブを交換するだけで、それほど難しくはありませんでした。

 

ですが、作業のやり方にちょっとしたコツがあります。僕が実際に交換した時の方法(※)が参考になれば、うれしく思います。

 

シャワー水栓のボタンの調子が悪くなってからは、何度もボタンを押したり、流量調整のダイヤルをぐるぐる回したりすると出てくるので、数か月の間は騙しだまし使っていました。

ボタンを押してもシャワーから水がすぐに出てこないのは、結構ストレスです。

今回の作業を振り返ってみると、DIYで十分できるレベルの作業だったので、すぐに交換すればよかったと思っています。

(※)修理は自己責任でお願いします。

プッシュ水栓の分解方法

分解作業に一番時間がかかりました。分解だけで1時間半ぐらいかかっています。

 

時間がかかった理由は2つあります。

 

理由その1
一つひとつの部品がどのように組付けられているかを理解しにくく、ネジを外す時や、故障した流量調整バルブを外す時に、力を加える方向を試行錯誤したり、使う工具をアレコレ変えてみたりしたため

 

理由その2
流量調整バルブは取り外す時に上下が割れて、本体内に下の部分だけ残ってしまい、残った部分を取り外す方法を思いつくまでに時間がかかったため

 

それでは、分解方法を順番に解説していきます。

お湯と水の元栓を閉じる

流量調節バルブを分解すると、お湯や水が大量に噴き出してきますので、お湯と水の元栓を閉じます。

元栓の位置は浴室の型式によって変わりますが、僕の家の場合は洗面器を置く台の裏面にありました。

普段、掃除をほとんどしないところなので、とても汚れていました。。。

 

お湯と水の元栓を回して閉じるだけの作業ですが、後で元の位置に戻しやすくするために、最初の元栓の位置に青マジックで印をしておきました。

印をつけておかないと、復元した時にお湯や水の流量調整の手間が発生します。

同じように他の部品を外す時も、最初に組付けられていた位置が分かるように、適宜マークしています。

流調ASSYを取り外す

流調ASSY 取り外し 方法 INAX リクシル LIXIL ボタン押しても出ない

流量を調整するダイヤルや押しボタンを外した後、流調ASSYを取り外します。

上の写真で僕が触れている部品が流調ASSYです。

 

流調ASSYを取り外す時は、反時計回り(左回り)に止まるまで回してから、上に引き抜きます。

流調ASSYはプラスチックの爪で止まっているので、引き抜く際に少しだけ力がいります。

引き抜く際は、1~2度ぐらい傾けて引き上げて片側を外し、今度は逆方向に数度傾けながら引き上げて完全に外すのがコツです。

 

流調ASSYが取り外せたら、その下の抜き防止リングも外します。

 

スペーサー、バルブ固定ナットの取り外し方

バルブ固定ナット 取り外し 方法 ウォーターポンププライヤー INAX リクシル LIXIL ボタン押しても出ない

スペーサーは手で抜き取れば簡単に外れます。

ただし、スペーサーには上下の向きがありますので、復元時に間違えないようによく見ておきましょう。

 

問題はバルブ固定ナットの取り外し方です

バルブ固定ナットの取り外しは、ちゃんとした工具を持っていない方にとっては、最初の難関になると思います。

長い年月の間一度も動かしていなかったバルブ固定ナットは、固着した状態だからです。

 

ここで活躍する工具がウォーターポンププライヤーです(上の写真)。

 

割とポピュラーな工具であるモンキーレンチで代用することはかなり危険なのでおススメしません

モンキーレンチではしっかりと固定ナットに噛ませることが難しいため、力を入れると滑って固定ナットや他の部品を破損させたり、手を負傷する可能性があるからです。

 

その点、ウォーターポンププライヤーを使えば、バルブ固定ナットの形状に合うように挟み込めるので、外す時の力がちゃんとバルブ固定ナットにかかり安全です。

 

バルブ固定ナットを外す時は、反時計回りにウォーターポンププライヤーを回します
(私は何を血迷ったか、時計周り(右回り)に少し回してしまって冷や汗をかきました)

流量調節バルブの取り外し方

流量調節バルブ 取り外し 方法 ウォーターポンププライヤー INAX リクシル LIXIL ボタン押しても出ない 途中で折れる

さあ、いよいよ本丸の流量調整バルブの交換です。

上の写真の流量調節バルブが壊れたことにより、お湯や水が出なくなったのです。

 

ここでも、先ほど使用したウォーターポンププライヤーが活躍します。

ウォーターポンププライヤーでしっかりと流量調節バルブを挟んで、上に引き抜きます。

この時、真上に引き抜くだけではなかなか引き抜けないので、多少左右にゆすりながら引き抜きます。

 

そうすると、流量調節バルブの真ん中付近で折れて破損し、上部だけは取り出せるのですが、下部は下の写真のようにプッシュ水栓本体の内部に残ってしまいます

流量調節バルブ 取り外し 方法 部品が本体内に残る 破損 ウォーターポンププライヤー INAX リクシル LIXIL ボタン押しても出ない 途中で折れる

 

これを取るのがとても大変なんです。

ラジオペンチで引き上げようとしても、ラジオペンチの先がツルツル滑ってしまい力が入りません。

 

そこで、僕は下の方法で本体内に残った流量調節バルブを取り出しました。

流量調節バルブ 取り外し 方法 部品が本体内に残る 破損 ウォーターポンププライヤー INAX リクシル LIXIL ボタン押しても出ない 途中で折れる コースレッド 打ち込み ネジ 木ネジ

本体内部に残った流量調節バルブにコースレッド(木ネジ)を打ち込み、ラジオペンチでコースレッドをつかんで引き上げる方法が最も簡単です。

本体と流量調節バルブは、流量調節バルブの側面に付いているゴムパッキンで密着しているだけですので、上の写真のようにコースレッドを打ち込めば、ラジオペンチで引き上げる時に力を加えやすくなります。

 

引き抜く際に破損した流量調節バルブの下部はこんな形状をしています。

流量調整バルブ 下部 破損 2つに割れる

赤丸で囲んだ部分が、引き抜く際の力によって割れた部分です。(ちょうど180度反対側は割れなかったので、比較すると分かりやすいと思います)

プッシュ水栓の復元方法

分解に比べて、復元は逆の手順で行うだけですので、かなり簡単です。

分解にかかる時間80%、復元にかかる時間20%ぐらいの比率ですので、ここまで来れたらゴールは近いです。

新しい流調バルブの取り付け

新しい流調バルブの調節つまみを反時計回りに回し切った状態にします。

流調バルブ側面の突起(2か所)と、本体内部の凹み(2か所)の位置が合うようにしてから、流調バルブを本体に強く押し込みます。

 

流調バルブを取り付ける時に注意するのは流調調整ネジの位置(赤丸印)です。

取り外す前と同じ位置になるようにすることがポイントです。

新しい 流調バルブ 本体 取り付け 方法 向き 注意

固定ナットの取り付け

ワンタッチ水栓 流量調整バルブ 固定ナット 取付後

固定ナット(金属製)を取り付ける時は、時計回り(右回り)に手で回せるところまで回した後、取り外す時に使ったウォーターポンププライヤーを使って増し締めします。

 

上の写真をよく見て頂くと、青マジックで分解前の位置に線が引いてあることが分かると思います。

組付ける時に、どこまで回せばよいか?ということに悩む必要がなくなりますので、作業効率が格段に上がります。

 

固定ナットを取りつけた後、プラスチック製のスペーサーを復元します。

スペーサーは上下の向きがありますので、ご注意ください。

 

流調ASSYの組付け

流調ASSY 取り付け 爪の位置 合わせる

抜け防止リングを取り付けた後で、流調ASSYを復元します。

 

流調ASSYの溝となって凹んでいる部分が、流調バルブ側面の凸部と合う位置を見定めてから、カチッという音がするまで押し込みます。

この時も、分解前のマークが役に立ちますね。

 

流調ASSYを取り付けた後、外周部に相当する流調ASSYを回した時に、内周部の流調バルブの凸部が連動して回るようになっているかを確認します。

完成

LIXIL INAX ユニットバス シャワー 流量調整バルブ 修理 交換 DIY

最後に、押しボタンと流量調整ダイヤルを復元すると、修理完了です。

流量調整バルブ交換作業まとめ・作業のコツ

1.分解作業で大変なのは、固定ナットの取り外しと、流量調整バルブの取り外し

(1)固定ナットを取り外す時は、ウォーターポンププライヤーを使えば、普通のナットを外す作業と変わらずに作業できる

(2)流量調整バルブを取り外す時は、上下に破損する確率が高い(このバルブを交換するために作業しているのだから、破損自体は問題ない)。

本体に残った部分を取り外す時は、コーススレッドを打ち込めば簡単に抜ける

2.分解する時は後で復元しやすくするために、元の位置をマークしておくか、写真を撮っておく

業者に頼んだら20,000円以上する作業が、新たに工具(ウォーターポンププライヤー)を買ったとしても、4,000円以内でできます。

あとは、あなたのやる気次第です。
DIYの苦手な方も少し勇気を出してやってみましょう。

購入した部品(ワンタッチ流調バルブ A-5353-10)

「INAX/LIXIL ユニットバス埋め込み式 ワンタッチ流量調節バルブ」は以下のサイトで購入することができます。

時期によって価格が変動しますので、タイミングよく安く買えるとよいですね。

【おまけ】
僕の記事以外に楽天のレビューでも写真付きで交換方法を詳しく解説している方がいますので、こちらも参考になると思います。

LIXIL,INAX ワンタッチ流調バルブ,ユニットバス埋込み式他水栓用(BF-HG856T系他,プッシュ操作式水栓用)A-5353-10

工具(ウォーターポンププライヤー)

今回の交換作業ではスパナやモンキーレンチを使うのはやめた方が良いです(部品破損の防止、けがの予防)

それほど高い工具ではありませんので、ウォーターポンププライヤーを使いましょう。

ホーザン(HOZAN)は老舗の工具メーカーです。普段DIYになじみのない方は初めて聞くメーカーかも知れませんが、工具の信頼性がとても高いです。

【参考】
プッシュ水栓の代表対象品番
(写真と同じタイプのものであれば、同じ流量調整バルブが使えると思います)

BF-HJ856TRX-PU
BF-HJ856TRX-PU/N85
BF-HJ856TNRX-PU
BF-HJ856TNRX-PU/N85
BF-HJ856TLX-PU
BF-HJ856TLX-PU/N85
BF-HJ856TNLX-PU
BF-HJ856TNLX-PU/N85

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